駄菓子屋馬場俊英作詞:馬場俊英,
須藤晃
作曲:馬場俊英駄菓子屋で僕はいつまでたっても何を買うかを迷っていた十円玉を握りしめて誰が何を買うかを横目で見てた大きなイチョウの木の陰に店はひっそり建っていて店を仕切るばあさんは僕らの隊長だった小さくて古くておんぼろの店はどんなビルよりも僕の心で輝いている教室で僕は放課後になったら何をしようと思っていたエンピツを指で回して窓の外の景色をぼんやり見てた遠くの空に浮かぶ飛行機の行方を追いかけて遥か海の向こう側の知らない街を旅した退屈でいつでも眠たくてだけどずっと好きだったあの学び舎はまだ胸の中校庭で僕は線引き押してダイアモンドを描いていたトンボを引きずりマウンド馴らして ホームベースの埃をはらってネームも番号もないユニフォームが一列に並んで相手ならば誰彼も構わず野次り続けた全力で声が枯れる限り叫んでいた僕達は真夏生まれのセミのようだった自転車置き場でまちぶせをして 君の帰りを待っていた制服の君とすれ違うたび 胸の奥まで苦しくなった好きな人がいると 君の噂を風に聞いた夜晩御飯も食べないで 涙をこぼし続けたはじまりもないのに終わった恋今も君の誕生日(バースデイ)を僕は毎年思い出してる不動産屋の前で貼り紙睨んで どこにするかと迷っていた金額と間取りと駅への距離 バスとトイレが別々か大学がある街の部屋に決めて初めての夜は紙の皿と缶ビールで互いの夢を話した小さくて古くておんぼろの部屋はどんな家よりも僕の心で輝いている居酒屋で僕は酎ハイ啜って 何を頼むか迷っているケータイを握りしめては誰が何をしてるかぼんやり見てたターミナルの横丁のガードの脇に店は建っていてそこで僕は誰でもないひとりの男にもどる小さくて狭くておんぼろの店の隅のテーブルで泡が一粒 はじけ